一般的な商品の売買とはちょっと違うのが家の売却です。
家の売却では高額な金銭が動くだけでなく、さまざまな法的な手続きや準備が必要になります。
そのため、ほとんどの方は家の売却に当たって、不動産関連の売買を専門にしている業者に委託しているというのが現状でしょう。
専門業者に委託した場合、家を売却しても自分が損をしているのか、得をしているかが明確に判断できないという意見もあります。
家の売却で後悔をしないためにも、次の6つのステップで売却の流れを抑えておくようにしてください。
ステップ1・家の価値を知る
家を売るには、第一に「売却額」を決めなければなりません。
その売却額を決める基盤となるのが現在の家の価値です。
自分の家の価値を客観的に知るためには、不動産業者などの専門家に査定を依頼するという方法があります。
不動産の評価額は必ずしも一定であるとは限らず、業者によって違いが出てくるケースも少なくありません。
A社は2000万円の評価をつけてくれたのに、B社は1500万円、C社は2200万円と査定してくれた・・・等、各不動産の評価基準は業者によって異なってくるのです。
このことから、1つの不動産業者にのみ査定依頼をするのではなく、少なくとも3箇所以上の不動産業者に査定を依頼するようにしましょう。
ステップ2・不動産業者を選ぶ
家の売却は個人でもできますが、実際にやってみると簡単ではありません。
確実かつ速やかに売却を行うには、信頼できる不動産業者に依頼する必要が出てくるでしょう。
もちろん、不動産業者であればどこでも良いというわけでもありません。
全国的に有名な大手業者、地域密着型の地元業者、口コミで評判の良い業者など、選択の基準はいろいろありますが、いずれであってもメリットとデメリットは必ずあります。
業者選びに迷っているなら、まず基本的な条件をチェックしてリストを作ってみましょう。
そのリストから複数の業者をピックアップし、直接相談したり問い合わせするなどして、相手の対応等から善し悪しを検討してみてください。
数ある不動産業者から条件にあった業者を見つけるのも一苦労です。
そこでおススメしたいのが、インターネットの不動産一括見積もりサイトです。
こうしたサイトでは条件の絞込みが簡単にできるので、信頼できる業者が見つかりやすいのです。
ステップ3・媒介契約を結ぶ
家の売却を委託する不動産業者が決まったら、次に売買の「媒介契約」を結びます。
媒介契約とは業者に家の売却の仲介を依頼するという契約のことで、契約を結ぶと正式に「家を売ってください」と依頼したことになります。
この媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
同じ媒介契約でもそれぞれ内容や意味が異なりますので、事前に把握しておくようにしましょう。
ステップ4・販売を開始する
媒介契約を結んで正式に「家を売ってください」と依頼すると、不動産業者は所定の方法で売却に向けて業務を進めていきます。
例えばチラシやポスティング、フリーペーパーを配布する、インターネットのサイトで物件を紹介する、新聞広告や店頭広告を出すなど、あらゆる手段で買い手を探します。
一般的には、これら販売活動に関する費用は不動産側が負担しますが、トラブルを避けるためにも契約の際に確認しておくようにしましょう。
ステップ5・売買契約を結ぶ
「家を買いたい」という方が現れたら、いよいよ売買契約を結びます。
売却に関する諸条件を確認し、合意に至ったら売買契約を勧めましょう。
不動産業者が準備した契約内容には、隅々まで目を通して必ず理解するようにしましょう。
その際、家を買う側から手付金として売却価格の5%から10%の金額を受け取ります。
この手付金で不動産会社への仲介手数料を支払うのが一般的な流れです。
ステップ6・家を引き渡す
売買契約が完了したら、いよいよ家の引き渡しです。
物件の確認を現地で行い、残金を決済してもらいます。
金銭の処理が完了したら家の引き渡しを行います。
家の所有権移転登記、抵当権抹消登録の申請は司法書士によって行われます。
最後に、不動産仲介手数料の残金を支払い、司法書士への報酬などを支払ったら家の売買は完了です。
その間、税金の処理、ご近所への挨拶、新居への引越しの準備、売る家の掃除、リフォーム等もありますので、一通りの流れを事前に抑えて計画的に行動できるようにしましょう。