――家を売って損をした・・・。
――売却でトラブルに巻き込まれた・・・。
このような話は、決して珍しいものではありません。
中には、知り合いの不動産業者や知人に紹介された不動産業者、昔から良く知っている近所の不動産業者に家の売却を任せたのに損をしてしまったというケースも数多く存在しています。
見ず知らずの不動産業者に頼むよりも、「知人」や「身内」、「良く知っている人」に売却を任せたいと考えるのは自然な流れといえるかもしれません。
ところが、身近で信頼できるはずの不動産業者が、売主に多大な損害を与えてしまうというケースもあります。
なぜ、身近な不動産業者に依頼するとリスクがあるのかを説明していきましょう。
不動産業者は買い手ではない
最初に理解しておきたいのが、知り合いの不動産業者といっても、あくまで仲介業者であって買い手ではない。
不動産業者は売主と買い手の間に入り、売買をスムーズに進める役割が本来の仕事です。
そのため、家を売却した後でトラブルが発生すると、ほとんどの買い手は直接売主に対してクレームを申し立てます。
クレームの内容が仲介業者にも問題があったとしても、「知人である」という理由から、なかなか本当のことを伝えられないという場合が多いようです。
損をしなくてもいい状況なのに「知人」という理由だけで、売主がすべての損をこうむる結果となることもあるでしょう。
「いや、自分だけは大丈夫なはず」と思っている方でも、いざという時になると「知人」との関係を悪化させたくない気持ちから、自己主張を飲み込んでしまうこともあるのです。
前もって「近しいがゆえに・・・」のデメリットを理解しておくといいでしょう。
不動産業者にも向き不向きがある
知り合いや身内の不動産業者が、売主が期待するような家の売却を専門とした業者でなかったとしたらどうしますか?
不動産業者には、各々に得意分野と不得意分野があります。
アパートや賃貸物件の売買を専門としている業者、戸建ての新築のみを扱っている業者、法人相手の取引しか経験のない業者など、同じ不動産業でもスタイルはさまざまです。
そのため、知り合いの不動産業者であっても、必ずしも売主が望んでいるような分野を得意としているわけではない可能性もあるのです。
「昔からお世話になっている不動産屋さんが近くにあるから」、「親戚の○○さんが不動産業を営んでいるから」といった理由で、そこに家の売却をお願いしようとしてもなかなか思うように進まないこともあるのです。
それどころか、売主に対する損が発生するリスクもあるのですから注意が必要となります。
特に任意売却のような売却方法の場合は、一般的な不動産業者でも経験がないというケースは珍しくないので慎重になる必要があるでしょう。
専門知識のない業者に売却を依頼すると、状況によっては取り返しがつかなくなることも多々あります。
これらのトラブルによる損を回避するには、目的に合った不動産であるか、トラブルがあったときにビジネスとして対応できるか等の問題を良く考えたうえで依頼するようにしましょう。