家を賢く売りたいなら、販売の長期化は避けましょう。
希望価格を1円も下げたくないと思うなら時間をかけても構いませんが、販売の期間が長引けば長引くだけ売主の損は大きくなることが多いので注意が必要です。
売主が損をせず、家を賢く販売するための秘訣はあります。
スピーディーかつ安全に売却を実現するには、「買主の立場」になって売ることがポイントです。
「この家買いたい!」と思うのはどんな時?
家の売却で発生する損を少しでも回避する秘訣は、「買主の気持ち」を理解することです。
買主が知りたいことは次のような点です。
- 家の価格はいくらなのか?
- 構造や設備、間取りはどうか?
- 耐震性や耐久性、築年数は?
- 近くに駅や学校、公共施設はあるか?
これはほとんどの買主が知りたい基本的な情報で、不動産物件にも掲載されているものです。
上記以外にも、売主に求められている情報開示はあります。
それは、不動産物件情報には公開されていない売主でしか知りえない情報です。
リフォームや修繕の情報
買主が知りたい他の情報を一つ一つ紹介しましょう。
第一番目が、リフォームや修繕の情報、住宅の屋根や床等の現在の状況です。
中でも年配の方が最も気にすることの一つに、シロアリ駆除に関する情報があります。
- 過去にシロアリの侵食があったが1年前に駆除を行った
- 過去にシロアリの侵食はなく、一度も駆除をしたことはない
このような情報は、事前に開示するようにしましょう。
なぜなら、情報を告知せずに売却した後、シロアリに関する問題でトラブルが発生した場合は、買主に訴えられる危険性があるからです。
事実、シロアリによる侵食が売却後に発覚した売買物件で、裁判が発生している事例もあります。
そのような場合は売主の告知義務違反となり、罰則金の支払い、もしくは契約が白紙になるなどの損をこうむることになるでしょう。
シロアリに限らず、屋根やベランダ、床の雨漏り、浸水などに関しても、売主から積極的に情報提供することをおススメします。
住宅の生活備品等の情報
第二番目が住宅に設置されている生活備品等の取替え時期の情報です。
中古戸建ての場合はほとんどありませんが、マンションではクーラーやトイレの温水設備、食器洗浄機等が備品として販売されます。
そうした備品が古くなっていて購入後すぐに壊れてしまうようでは、買主からのクレームで修繕や取替え費用の請求があったり、契約白紙などの要求が来る可能性もあります。
結果として売主が費用を負担することになるので、事前に積極的に情報を出しておきましょう。
備品の購入日や過去の修理日、現在の状態等を細かく情報開示し、できれば各備品に関する資料を一緒に見せるのがおススメです。
これらを納得した上で購入してもらうと後々トラブルにならずに、スムーズな売却が実現できます。
周辺住人に関する情報
第3番目が、多くの女性が最も気になる周辺住人に関する情報です。
近くの住民にどんなご家族が住んでいるのか、交流はあるのか、同年代の子供がいるか、トラブルを起こした経験のある住民がいるかといった情報は、買主が気になる情報といっていいでしょう。
近隣住民のみなさんのプライバシーに充分に配慮した上で、必要と判断した情報を適切に伝えるようにしてください。
良い買主に出会い、損をしない家の売却を進めるためにも、有用な情報を積極的に伝えられるよう準備しておきましょう。