実家の空き家対処方法や取扱いに大きく関わっているのが、親(名義人)の高齢化という問題です。
土地建物の名義人が高齢者などである場合、病院への入院や介護施設への入所といった事態に直面したとき、空き家の問題が発生する事が多いのです。
高齢の所有者と空き家の問題
全国的にみても高齢者の入院や入所などの事態で、住宅が空き家になってしまったという例は少なくありません。
ほとんどの場合、親は「また元気になって家に戻って来られるかもしれない」と考え、すぐさま住宅を処分するような事はないようです。
その結果、住宅は人の住まない空き家となり、親の入院や入所が長引くにつれて長期的な空き家と化すケースが多数見られます。
このような空き家は家族や親族などが引っ越して来て住むのではないと、そのまま放置されて老朽化していくという結果になってしまいがちです。
高齢の親が亡くなるような事態になると、空き家の対処だけでなく相続や相続税にも対処する必要が出て来ますから、問題はさらに大きくなると予想されます。
空き家の問題は親が存命のうちに対処するのが鉄則といわれています。
以下に、高齢の親が存命のうちに空き家を有効活用するメリットとデメリットについて紹介していきましょう。
固定資産税評価額が減額される
高齢の空き家の所有者が存命中に住宅を賃貸物件として活用すると、固定資産税の評価額が減額されるというメリットがあります。
固定資産税の評価額とは、所有者に対して課税するための財産の評価金額をいいます。
同じ財産でも現金であれば評価額は現金の額とイコールで変わりません。
しかし土地・建物などの不動産は、土地の価格の値上がり(値下がり)や建物の築年数、用途などによって評価額が変わってきます。
例えば新築の家屋の評価額は建築費の約60%ですが、その建物を賃貸物件として人に貸すと評価額は約30%に減額されます。
土地に関しても賃貸用の建物を造った場合、評価額は更地のときと比べて約20%減額されるのです。
これを図式で考えると固定資産税が高い順に、(1)更地、(2)一般住宅、(3)賃貸用の物件となります。
誰も住んでいない住宅を放置していると固定資産税を高く取られるという結果になるだけでなく、相続時に税金を取られたり相続問題でトラブルが起こる原因になる可能性があるのです。
賃貸物件のメリットとデメリット
空き家を賃貸物件として活用する場合、確定申告でメリットを得る事ができます。
青色申告をしっかりと行えば経費として10万円の特別控除ができるほか、特定の要件を満たしているようなら最高65万円までの控除が可能となります。
これは大きなメリットですので、確定申告の際は専門家に相談するようにしましょう。
デメリットとして考えられるのは、予定していた賃料が確保できないケースです。
せっかく固定資産税額の減額できても、経営が上手くいかなければ差引き損になるという事もあり得ます。
利益が出ないからといって売却しようとした場合、入居者が一人でもいれば所有者の都合だけで処分できないのは言うまでもありません。
困ったら専門家に相談すべし
不動産や税金の問題は個人では充分に対応できない場合があります。
空き家をどう処分すべきか、更地をどう活用するか、賃貸物件を建築して利益を生み出す方策を採るべきか等の問題に加え、固定資産税や相続税といった問題も関わってくるわけですから悩む方も少なくないでしょう。
このような問題で判断に迷うようなら、専門家に相談する事をオススメします。
土地建物や空き家、税金、相続といった問題は、市区町村役所に相談窓口が設けられているケースもあります。
その相談窓口で弁護士や司法書士といった専門家を紹介してくれる場合もありますので、遠慮なく問合わせてみてはいかがでしょうか。
専門家に相談する際には納得いくまで質疑応答をし、必要であれば報酬を支払って問題に対応してもらう事も検討してみてください。
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