空き家の活用に困っているという所有者の多くは、古い建物をいかに収益の得られる物件にするかという事ばかりにとらわれているのではないでしょうか。
悩んでいる間も放置された空き家は雨風にさらされ、老朽化が深刻なものへと進んでいきます。
ほかにも「両親から受け継いだ思い出のある家を処分できない」、「第三者に売り渡すなんて考えられない」と思っている所有者もいるでしょう。
思い入れのある我が家は簡単に処分できないものですが、実際には日々の管理に苦労しているというのも本音のようです。
先に施行された「空き家対策法」に抵触するとペナルティーの対象となりますので、対象とならないような維持管理をするには経費や手間が必要になるのは言うまでもありません。
遠方に住んでいる所有者を含め、誰も住んでいない空き家の管理にお金と労力が奪われていると感じている人も少なくないはずです。
そんな悩みを解決するアイディアのひとつが、空き家を無償で人に貸して活用してもらうという方法です。
空き家を賃貸物件にして安定した収益を得るには、かなりの費用を掛けてリフォームやリノベーションを行う必要が出てきます。
一方、古い建物を人が住める状態にするだけなら、費用を最小限に抑えつつ賃貸物件に改修する事もできるでしょう。
地元の市町村が実施する助成金制度を利用できれば、さらにリーズナブルに改修が行えます。
改修した空き家の家賃は無償もしくは少額の利用料を設定して貸し出すということになるわけですが、この方策には次のようなメリットが期待できるのです。
メリット1・建物の老朽化を防げる
建築物というのは人が住むだけで、常に新鮮な風が家中に流れ込み澱んだ空気を外に排出することができます。
日々、このような通気が行なわれることで、建築物の老朽化を防止することができるのです。
日本の家屋のほとんどは木材を主材料として造られています。
高温多湿といわれる日本の気候のなかで、何日間も何週間も扉や窓を閉め切った状態で放置されている建築物は老朽化が加速します。
湿気を吸い込んだ木材は耐久性を失い、いつか倒壊の危機を迎えるようになるかもしれません。
こうした建物も人が住むことによって、毎日、窓や戸の開け閉めを行うだけで自然に換気を行なうことができるのです。
空き家の窓や戸の開閉による換気作業をサービス業者に依頼すると、月々の費用として数千円から数万円の費用がかかるそうです。
それに比べると人に貸すという方法は、コスト削減につながるといえるのではないでしょうか。
メリット2・管理から解放される
空き家の所有者にとって、手間と時間の掛かる管理業務は意外に大きな負担になります。
この空き家を人に貸し出すことにより、面倒な管理から解放されるというメリットがあるのです。
大切な休日に高い交通費を使い、掃除道具等の購入費用を使い、手間ひまかけて空き家の管理を続けるというのには想像以上の苦労があるといいます。
そんな努力を続けているにも関わらず、『空き家対策法』に基づいて適正な管理がされてないと判断されてしまったらどうでしょうか。
せっかくここまで維持管理してきた空き家を強制的に処分される危険性もあります。
このような精神的・肉体的・金銭的な負担を考えると、格安で人に貸したほうが多くのメリットがあるといえるかもしれません。
メリット3・相続税が軽減できる
建物の名義人が高齢のご両親などであった場合、万が一のときには相続税の負担も軽減します。
不動産は建物(空き家)プラス土地として相続するよりも、賃貸物件として相続するほうが固定資産税の評価額が減額されるからです。
所有している不動産の評価額は相続税を決めるうえでの重要なファクターになりますので、空き家のまま維持しておくより賃貸物件にしたほうがメリットが大きいというわけです。
使用していない空き家の処遇に悩んでいる方は、まずは専門業者に相談してみることをオススメします。
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