仕事や子供さんの学校の関係などで、生まれ育った実家を離れて生活している人は少なくありません。
多少の古さはあっても、まだまだ使える実家を空き家にしているのには人それぞれの事情があるはずです。
例えば実家で生活していたご両親が入院したり、高齢者施設に入所しているといったケースは日本中で多数見られます。
そうした事情で実家が空き家となってしまった場合、子や孫といえども現在の生活を変えてまで実家に移り住むのは難しいというのが現状でしょう。
住む予定のない家をどうすべきか
住むつもりのない家にも関わらず、処分する事なく持ち続ける人もいます。
その理由で最も多いのが、「両親や家族の思い出が一杯詰まった家だから」というものです。
実家から離れて数十年が経過し、なおかつ今後も実家で暮らす予定がなくても、いざ手放すとなると誰しも「もったいない」と感じてしまうのでしょう。
しかし思い出の詰まった家だからという理由だけで、使用する予定のない空き家を持ち続けても解決にはなりません。
平成27年には「空き家特別対策法」が施行され、誰も住んでない家に関する所有者の責任は以前よりも重いものとなっています。
空き家の所有者は責任ある管理を求められるだけでなく、管理不全と判断されると自治体からの指導が行なわれる事もあります。
指導に応じなかった場合には、勧告や命令、さらには所有者の氏名公表や強制的な解体処分による代執行が実施される可能性もあるのです。
そうしたケースでも、空き家の解体に係る費用等はすべて所有者負担となります。
行政による強制的代執行が行われた場合、思い出一杯の大切な家が最悪の結末を迎える危険性もあるので十分に注意してください。
実家を適正に管理するには?
新しい法律では、近所への迷惑行為、景観を損ねる、人体等に危害が及ぶなどの危険性がある空き家は「特定空き家」と判断されさまざまなペナルティが課せられます。
そうならないためには、適正な管理が必要な事は言うまでもありません。
空き家の適正な管理としては、次のようなものが挙げられます。
・定期的に空き家の窓の開閉を行なって通気や換気を実施する
・定期的に照明を付けて人の出入りがある事を周囲に知らせる
・不法投棄や不法侵入を防ぐための対策を実施する
(建物の窓、外壁、サッシ、門扉の修繕、敷地内のゴミやチラシの撤去、庭木や植物の手入れ等)
・季節ごとに適切な管理や維持、修繕などを実施する
(台風や豪雨の被害への予防や対処、積雪に対する対処等)
このような管理を適切に行うためには、定期的に空き家に足を運ぶ必要があります。
仕事で多忙な日々を送っている方、気軽に通う事ができない遠方に空き家がある方などにとっては、適正な管理を行う事は難しい面もあるかもしれません。
そのような点から、昨今では持ち主に代わって空き家を管理するサービスを行なう業者も増えてきました。
管理サービスの費用は業者によってさまざまで、サービス内容も広範囲にわたります。
もしも自身で適正な管理ができない場合には、こうした業者に相談してみるのも「特定空き家」を回避するための一つの方法ではないでしょうか。
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