持ち家やマンションを売る前には「不動産鑑定士に調査を依頼したほうがいい」という話を良く耳にします。
不動産鑑定士が行う「鑑定」とはどんな調査をするのか、不動産業者が行う「査定」とはどう違うのかを調べてみました。
鑑定とはどのようなものなのかという内容を理解し、家やマンションを売る事前準備としてご活用ください。
不動産鑑定士とは?
全国でも7000人ほどしか存在しないといわれるのが不動産鑑定士です。
不動産鑑定士は家やマンションなどの不動産の価値を調査するプロ(専門家)といえるでしょう。
建物そのものの価値だけを評価するのではなく、周囲の経済状況や交通等の環境面、その他不動産市場の諸条件、将来性などから総合的な鑑定評価を実施します。
とはいっても不動産鑑定士の出した評価が必ずしも売却価格になるとは限りません。
マンションや家の価格は、売り主と買い手の双方が納得すれば、評価額に関わらず決めることができるからです。
不動産鑑定士に調査を依頼すると報酬が発生するので、利用に関してはよく考えた上で決断してください。
不動産鑑定士に調査を依頼するメリット
家やマンションを売る前準備として、不動産鑑定士に調査を依頼する方が年々増えているといわれています。
その理由は、不動産に関する高い知識を持つプロの客観的な意見を知ることができるからです。
売買の仲介に入る不動産業者は売り主や買い手の言い分に左右されたり、利益を重視するという傾向があると相場と異なる価格を提案する場合があります。
不動産鑑定士による調査価格を事前に知っていれば、不動産業者による売却価格が適正かどうかの判断ができるというメリットがあるのです。
「鑑定」と「査定」の違いとは?
不動産鑑定士が行う「鑑定」と不動産業者が行う「査定」には違いがあります。
資格を有する不動産鑑定士しかできないのが「鑑定」で、無料で気軽に利用できるのが不動産業者による「査定」です。
不動産鑑定士の行う「鑑定」は鑑定評価基準に基づいて実施され、裁判などが起こった場合は有利な材料として用いることもできます。
その調査には10万円から20万円ほどの費用がかかります。
不動産業者の行う「査定」は無料で、売買の参考価格が知りたい場合におススメです。
一括査定サイトなどを利用すると、簡単な情報を入力するだけで参考価格を知ることができます。
上述したように、不動産鑑定士の評価額が必ずしも売却価格になるとは限りません。
「鑑定」は「査定」同様、あくまでも参考価格として利用されることが多いので、高い費用を払ってまで不動産鑑定士を利用する必要はないと考える方も多いのが現状でしょう。
単なる不動産の売却だけではなく、遺産分割や親族間での不動産トラブル、売却にかかわる難しい問題を抱えている場合は、資格を有する不動産鑑定士の正しい調査を利用することをオススメします。