大切な我が家を損せずに売るためには、適正価格を知ることが重要なポイントの一つです。
家の価格を決めるというのは、そう簡単なことではありません。
高すぎても、安すぎても売主に損が生じる可能性はあります。
不動産売却のプロでも、売却価格を決定するときには迷うといわれるほどです。
それだけ難しい売却価格決定には充分に時間をかけ、信頼のおける不動産業者と何度も相談を行ったうえで、慎重に検討するようにしましょう。
売却価格を決めるポイントは、「最低価格の決定」、「値下げ時期の設定」、「値下げのタイミング」の3点です。
そして最終的な価格交渉が損得の分け目となってきます。
次に、3つの重要ポイントを具体的に説明していきましょう。
ポイント1・最低価格の決め方
売主が「売りたい価格」と、実際に「売れる価格」は違います。
家の持ち主にとっては、多少築年数の経過した建物であっても、大切な我が家であることに変わりはありません。
ところが買い手側から見ると、築年数の長い建物は単なる中古物件でしかないため、できる限り安くお得に購入したいということになるのです。
このような売主と買主の思惑の差はあって当然でしょう。
両者の差を少しでも縮められるような価格を目指すのが理想的ですが、売主が絶対に損をしないためには最低価格のラインを決めることが重要になります。
最低価格ラインとは、家を売っても損をしない下限価格の線引きのことです。
例えば、家を売った利益で残りの住宅ローンを全額返済しようという予定のある方は、必然的にローンの残金が最低価格ラインとなります。
ここで注意したいのが、不動産業者に依頼した査定額が最低価格ラインを下回った場合です。
最低価格を査定額が下回ってしまうと、家を売った利益だけでのローン返済は不可能となり、抵当権を外すことができません。
抵当権を外せなければ契約が白紙になるだけでなく、契約不履行で違約金等を請求される危険性もあります。
こうしたトラブルを避けるためにも、最低価格が査定額よりも下回った場合は、再度売却の検討をしてください。
一般的には、最低価格よりも査定額が、査定額よりも希望価格が大きくなると覚えておくといいでしょう。
ポイント2・査定額よりも高くは売れない?
次に「家を査定額よりも高く売りたい」という場合を考えて見ましょう。
不動産業者が算出した査定額は、絶対的な売値とは決まったわけではありません。
あくまでも参考価格ではあるものの、不動産業者の出した査定額は、直近の取引状況や周辺の売買物件等を考慮したうえで算出した価格となっています。
この価格を大幅に超えるような売値では、通常の売却は難しくなることが予想されます。
査定額よりも高く売りたい場合は、時間をかけて売却を実施するといいでしょう。
売れないだろうと予想されていた物件が、タイミング次第でスムーズに売れるというケースもあります。
不動産業者とよく相談したうえで、売るタイミングや販売方法などを工夫するといいでしょう。
ポイント3・値下げのタイミングと値下げ幅は?
売り手が「1円足りとも価格は下げない」という考え方の場合、せっかくの買い手を失うというケースも考えられます。
計画的に家を売却したいなら、ある程度の値引き交渉に応じるという姿勢を見せる必要があるでしょう。
売主自らが値引き額を提示する必要はありません。
できれば値引きは避けたいところですので、相手が具体的な数字を提示するまで交渉を先に進めないようにしましょう。
「いくらまで値引きできますか?」ではなく、「いくらなら出せますか?」という交渉をおススメします。